Wednesday, August 23, 2017

野茂投手のように


きみが先攻して、最後にサヨナラ勝ちを
収めたこの試合は
たぶん
延長戦に突入していた。

この試合、最後まで分からないぞ。
あきらめるな

選手は今が何回であるのか、それさえもよく分からないまま

点の取り合いを続けた。

打っては打ち返され、打っては打ち返され
アンパイアは何度目かの試合の終了を告げた。

投手が7回に投げて後逸されたボールは最長2週間ほども
彼のグラブには返ってこなかった。

球を追うキャッチャーの後ろ姿がだんだんと遠くなっていく。
早くボールを返してくれよ
さもないと、もうマウンドに立ち続ける事はできない。


バッターボックスに立つ打者
サインを出す捕手
カーブなのか、ストレートなのか、それとも。
消える魔球を交えて突如ボールを投げるきみはまるで

野茂投手のように
このグラウンドに 竜巻を起こし

野茂投手のように
ぼくらの前から
姿を消してしまったんだ。

最後のキャッチャーフライ
ミットに収まったそのボールは出来るなら
ネコにも見える場所に置いてくれないか?

3本のバットで足組みをして。



あおいもなかcat 文集「butterfly」
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